在宅介護と防災|直面するリスクと日頃の備え 多摩センター訪問看護

近年、自然災害の頻度や規模が大きくなり、いつどこで災害が起こるかわからない時代になりました。特に、在宅介護をしている家庭では、災害への備えは欠かせません。

「もしもの時、どうすればいいのか」「何を準備しておけば良いのだろう」と不安に思うこともあるでしょう。

そこで本記事では、以下の内容について解説します。

  • 在宅介護の防災で直面する3つのリスク
  • 在宅介護の防災でしておく日頃の備え
  • 多摩市のハザードマップ

要介護者と家族の安全を守り、安心して暮らせるための備えについて解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

なお、多摩センター訪問看護では、訪問時に在宅介護で使用する医療機器の動作確認をしています。防災について一緒に考える機会になるため、お気軽にご相談ください。

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在宅介護の防災で直面する3つのリスク

在宅介護における防災では、以下のようなリスクに直面します。

  • 自力での避難が難しい
  • 介護に必要な物資が不足する
  • 連絡が取りづらくなる

ひとつずつ解説します。

自力での避難が難しい

介護が必要な方が災害に遭遇した場合、自力で安全な場所へ避難することが困難です。杖や車いすを利用している方、歩行が困難な方は、特に避難に時間がかかり、危険にさらされる可能性が高まります。また、避難経路に段差や障害物があると、スムーズな移動が妨げられ、避難が遅れてしまうこともあります。

介護に必要な物資が不足する

災害が発生すると、食料や水だけでなく、介護に必要な物資も不足する可能性があります。おむつや薬、ガーゼのような処置用品などの物資が不足すると、生活に支障がでるでしょう。また、電気が止まってしまった場合、人工呼吸器や吸引器が使用できなくなり、健康状態が悪化する恐れがあります。

連絡が取りづらくなる

災害時には、電話やインターネットが不通になることがあります。別居している家族やケアマネージャー、訪問看護事業所などとの連絡が途絶えてしまうと、必要な支援を受けることが難しくなるでしょう。また、避難所での生活が始まると、携帯電話の電波が届きにくい場所もあり、連絡が途絶えてしまう可能性も高まります。

在宅介護の防災でしておく日頃の備え

いざという時に慌てずに行動するためには、日頃からしっかりと準備しておくことが大切です。ここでは、在宅介護の防災でしておくべき備えについて、以下の点を解説します。

  • 避難方法を確認する
  • 自宅内の避難経路を確保する
  • 避難用の備品を用意する

ひとつずつ見ていきましょう。

避難方法を確認する

災害が発生した際にスムーズに避難できるように、事前に避難経路や避難場所を確認しておきましょう。避難経路がバリアフリーになっている可能性は極めて低いです。段差や障害物があるなかで、どのように避難するのかを確認します。家族だけで避難することが難しいケースもあるため、近所の方の協力を仰ぐなど、ケアマネジャーも交えながら具体的に確認しておきましょう。また、地域の防災マップを入手し、避難場所や集合場所を把握しておきましょう。

自宅内の避難経路を確保する

自宅内で避難経路を確保するため、障害物となる家具や物をあらかじめ片付けて、スムーズに避難できるようにしましょう。家具を固定したり、転倒防止対策を行ったりすることも効果的です。また、夜間に避難する場合に備えて、懐中電灯や携帯電話の充電器を分かりやすい場所に置いておきましょう。

避難用の備品を用意する

避難の際に必要な物資をリストアップし、避難バッグに入れておきましょう。避難バッグに準備しておきたいものは以下のとおりです。

  • 水と食料:常温で保存できる食品や飲料水。目安は3日分
  • 医薬品:常用薬、お薬手帳、体温計など
  • 衣類:着替え、下着、タオルなど
  • その他: 懐中電灯、ラジオ、現金、貴重品、携帯電話の充電器など

介護が必要な方の場合は、以下の物も準備しておくと良いでしょう。

  • おむつ
  • 介護食品
  • 医療機器(ポータブルのものがあれば尚よい)
  • 介護用品( 車いす、歩行器、ポータブルトイレなど)

これらの備品は、定期的に見直しを行い、賞味期限切れのものや不足しているものは補充するようにしましょう。

多摩市のハザードマップ

在宅介護における防災では、普段からの備えが重要です。家族内で避難場所や避難経路を確認したり、インターネットやテレビなどで情報収集をおこなったりして、早めの避難を心がけましょう。あわせて、集中豪雨や台風、洪水、土砂災害などの風水害にも注意が必要です。

多摩市では、「多摩市洪水・土砂災害ハザードマップ」を作成しています。台風や大雨による河川の氾濫や内水被害が発生した際に予想される浸水の範囲、浸水の深さ、避難所などが掲載されています。

また、地震等で避難が必要になったときのために、市内の市立小・中学校の校庭などを避難場所に、その体育館などを避難所に指定しています。平時から、地震防災マップを確認し、災害時の避難場所を確認しておきましょう。

なお、多摩センター訪問看護では、訪問の際に在宅介護で使用する医療機器の動作確認をしています。災害に対する備えに100点はありません。少しでも安心できる対策を取れるよう、一緒に考えて行きましょう。

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執筆:さとひろ

この記事を書いた人

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